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おもちゃの選び方 3/4

子どもが喜ぶおもちゃが良いおもちゃとは限りません

日用品や自然物

 前述のような複雑な仕掛けのおもちゃを喜ぶと同時に、子どもは身の回りにあるものを何でもおもちゃにして遊ぶという面も持っています。コップやしゃもじ、外で遊べば石ころや棒きれなどをいろいろなものにみたてて遊ぶ姿を見ていると「やっぱり子どもは遊びの天才だ」と感じる親御さんも少なくないと思います。だから、特別におもちゃなんか必要ないのでは、という声もよく聞きます。仕掛けの複雑なおもちゃとは反対に形がシンプルなので、想像力をかき立てるのでしょう。しかし、これらのモノには遊びに広がりがありません。

 こんなことがありました。3歳になる子がピーナッツを数個並べて遊んでいました。ピーナッツはその子のイメージの中で電車になったり、動物の親子やモーターボート、自動車へとつぎつぎに変化していきます。しかし、遊びは10分ほどでストップしてしまいました。空想遊びまではよかったのですが、さて、次にどうやって遊ぼうかと考えたとき、ピーナッツでは積むこともつなげることもできず、遊びをふくらませることができなかったのです。

 いっ時、よく遊んでも飽きてしまうおもちゃに共通して言えることは、ある程度は想像力が入り込めるとしても、遊ぶたびに新しい発見をしたり、新しい表現(創造)をすることができないことです。
 ただ、子どもが関心を示すからという基準でおもちゃを選んでいると、せっかくの子どもの可能性も埋もれたままにすることがよくあります。飽きられたおもちゃで子ども部屋が埋もれてしまわないうちに、子どもの成長に本当に役立つものを選んであげてほしいのです。
 その点でおもちゃ選びを子どもにゆだねることは、決して正解とはいえません。子どもは、何が自分の栄養になるかを知る情報をまだ獲得していないからです。

(和久洋三著/『おもちゃの選び方・与え方』より抜粋)

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