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かずの木のこと 3/6

量と<かずの木>

 私達の生活は量に取り囲まれています。量には、体積ばかりでなく、長さ、重さ、広さ、温度、密度、明暗、速度、値段、硬さ、時間等があります。このような多くの種類の量の中で、私達は情報を量として受けとめながら、判断して暮らしています。
 一例をあげると、私達が夕食の買い物に出かけようとする時、夕食を食べはじめる時間や料理にかかる時間、買い物に要する時間等を計算して、何時までには出かけなければとか、夕食のメニューを考えて財布の中身を確認してから出かけます。そして、なにか買う時も、値段と量や質をよく比較してから選びます。これはすべて量に関係していることです。
 「未測量」はまだ数値化していない量のことです。それに対して、数として表された量のことを「既測量」と呼びます。スーパーマーケットでレタスを両手に持って重さや大きさを較べるのは「未測量」です。パックに表示された135gという重さで大小を判断するのは「既測量」の世界です。
 子ども達はまず「未測量」と出合い、それから徐々に「既測量」の世界に入っていきます。

量の体系と<かずの木>

 たくさんの種類の量をあげましたが、これらは体系的に分類することができます。この分類にしたがって、やさしい方から難しい方へと進んでいかないと、子ども達は混乱してしまいます。
 量は「分離量」と「連続量」に分かれます。「分離量」は、個別に数えられる量のことです。1個、2個、3個、1匹、2匹、3匹と数えられるものです。英語で言えば、How many.....?という問いに答える量です。
 「連続量」は水の体積や、身長、金額等、計測して得られる量です。これは測定した単位をつけて表します。「体積が1の水」と言っても、1デシリットルのことなのか1リットルのことなのか解りません。英語で言えば、How much.....?という問いに答える量です。
 「未測量」の世界でたっぷり遊んだ後、小さい子どもはまず「分離量」の世界で、簡単な数を理解するようになります。「連続量」を「既測量」として捉えられるようになるのは、その後です。
 「連続量」は「外延量」と「内包量」に分かれます。「外延量」は大きさや広がりを表します。「内包量」は“度”や“率”のつく言葉で、強さや割合等の質を表します。
 <かずの木>には「分離量」と「連続量」の両方の要素が含まれています。

(和久洋三著/『遊びの創造共育法 童具編 かずの木』より抜粋)

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