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かずの木のこと 1/6

かずの木の創作意図-①

 はじめに、この童具をなぜ私がつくったのか、それをまずお話ししておきましょう。
 娘が小学1年生の時のことです。通信簿の算数の評価がとても良かったのです。それを見て私は「7+9は幾つ?」と面白半分に聞いてみました。
 娘はしばらくじっと考えていました。
 やがて「16」の答えが返ってきました。
 「じゃあ、9+9は?」
 またしばらく考えています。
 指をさりげなく折ったり伸ばしたりしているのに気づきました。
 『これはまずい』私は娘のために算数を楽しく理解するための童具づくりをはじめました。
 しかし、私はこの童具を単なる教材にするつもりはありませんでした。創造的な活動の中でいつの間にか数学的なセンスが身につくことを第一の目的にしました。そして、数字から算数に入っていく子ども達に、見て触れて数量を具体的にイメージできるものにしたいと考えました。
 算数は本来抽象性の高い教科です。数字も抽象的な記号です。はじめて出合う教科が抽象的でありすぎると理解はままならなくなります。どうしても具体的なイメージをもてるものが必要です。そして、万物は立体に構成されています。紙1枚にも厚さがあります。立体物は前後にも左右にも上下にも広がる量をもっています。人間はその中で生活しています。そのため前後・左右・上下に広がり、並べたり積んだりするのに一番適した形=立方体を私は基本形体にすることにしました。

(和久洋三著/『遊びの創造共育法 童具編 かずの木』より抜粋)

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